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ガンの精密検査

X線検査

X線検査は、X線により人体内部を透視したり撮影したりする検査で、がん検診の基本的な検査方法です。そしてX線検査は単純撮影と造影撮影のふたつの種類に分けられます。

単純撮影は、写したい体の部分を特殊な方法・装置・造影剤を使わずに撮影するものですから、検査法としてはきわめて簡単です。しかし、単純撮影でガンをチェックするのはガンが小さければ難しい場合が多く、最近では健康診断でガンかどうかのふるいわけをする手段として使われることが多くなっています。 @胸部単純X線写真 A骨X線写真 B乳腺撮影(マンモグラフィー) などが主なX線単純撮影です。

造影撮影は、単純撮影ではそれぞれの臓器やそのガン組織をはっきり識別できない場合に、造影剤と呼ばれる物質を体内に入れて、はっきりとわかりやすい画像ができるようにするものです。造影剤を入れることができるのなら、体中どこでも撮影は可能です。つまり、管状になっている臓器はすべて対象になります。 @上部消化管造影 A大腸造影 B胆嚢・胆管造影 C気管支造影 D腎盂造影 E血管造影 Fリンパ管造影 などが主なX線造影撮影です。
 

CT検査

CT検査とは、X線撮影したもがコンピュータで計算処理されて、画像化された断層写真のことです。CT検査では体の好きなところを輪切りにした「断層写真」を映し出すことが可能で、臓器の識別やガンなどの判定がよりしやすくなっています。近年では、機械の性能が上がり、高分解能CTやヘリカルCTなど新しい型のCTが開発されています。

高分解能CTは、観察する場所を狭くして大きく表示するとともに、独特な原理で小さい物まではっきりと映し出すことができるように、その撮影能力を高めたものです。普通のCTが1mm程度ほどのものまでしか映し出さないのに対し、高分解能CTは約3倍の0.03〜0.35mmまで映し出します。

ヘリカルCTは、 X線を放射する部分がらせん状に連続回転して撮影するCTで、切れ目のないデータを得ることができるため、立体的な表示、動画像表示などを作ることができます。また、精度が格段に上がっているので、今までのX線検査では不可能だった、肝臓・膵臓・脾臓・腎臓あるいは血管などを鮮明な画像を手に入れることができます。

MRI検査

CT検査と同じく、コンピュータにより人体の断面を画像として描く検査法です。違いはX線の代わりに磁気を用いて撮影することです。そのためX線による放射能の被爆がない、横断断層だけでなく縦方向や斜め方向など自由な断面写真の撮影が可能、画像処理のさい空気や骨が障害にならない、検査に苦痛を伴わないなどの多くの利点があります。

超音波検査

超音波検査は、弱い超音波を体に当てて、組織からの反射波(エコー)を画像化したものです。これも検査に苦痛を伴わない、X線による放射能の被爆がないこと、操作が簡単なので瞬時に画像診断ができることなどの利点があります。産婦人科でお母さんのおなかを超音波検査して、赤ちゃんの状態を見ることなどは一般的に行われていますので、おなじみの方もいらっしゃると思います。


内視鏡検査


内視鏡検査の歴史は古く、19世紀のはじめ頃にさかのぼるといわれています。現在はやわらかくて曲げやすい、グラスファイバーを使ったファイバースコープが主流です。のど・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・胆管・胆嚢・膵臓・気管支・膀胱などの検査に内視鏡は使われます。

機材の進歩で、昔と比べると内視鏡検査はかなり楽になっていますが、物理的にファイバースコープを体の中に入れるわけですから、患者の肉体的な苦痛はゼロというわけには行きません。しかしながら、ガンの病巣を直接肉眼で観察できるため、正確な診断を下せる・細胞検査のサンプルを採取することができるなど非常に重要な検査方法になっています。

腫瘍マーカー

がん細胞は、ある物質を正常細胞と比べてより多く作っているということが知られています。こうした物質を腫瘍マーカーと呼び、ガンの診断に利用されています。腫瘍マーカーは多くががん細胞で作られて、一部は血液や尿の中に出てくるため、血液や尿などを検査して調べます。

ガン 腫瘍マーカー ガン 腫瘍マーカー
肺がん

CEA、シフラ、NSE、Pro GRP

胆嚢・胆管がん CEA、CA19-9
甲状腺がん CEA、カルシトニン、サイログロブリン 卵巣がん CA125、STN
食道がん SCC、CEA 子宮頸がん SCC
胃がん CEA、CA19-9 前立腺がん

PSA、PAP、γ-Sm

結腸・直腸がん CEA、CA19-9 膀胱がん BFP
肝臓がん AFP、PIVKA-U 睾丸腫瘍 AFP、Alk-P、hCG
すい臓がん CA19-9、CA50、エラスターゼ 繊毛がん hCG
乳がん CEA、CA15-3 骨腫瘍 Mたん白、ペンスジョーンズたん白


現在、ガン診断に利用されている腫瘍マーカーには、大きな問題点が2つあります。1つは、腫瘍マーカーは正常細胞も分泌するので、正常・良性の病気・がんを区別しなけれればなりません。今のところ、腫瘍マーカーだけでガンを診断するのは特殊な場合を除いて不可能です。

もうひとつの問題点は、早期がんの場合は基準値を超える事が少ないことです。腫瘍マーカーで早期がんを発見することは現時点では難しいといわれています。

PET

PET(Positron Emission Tomography)とは、「ポジトロン断層撮影法」のことで全身のガンや、脳・心臓の働きを断層画像として処理し、病気の原因や病状を的確に診断する新しい検査方法です。

今までのX線やMRI、超音波診断などは内臓などの形をを見て、ガンができているかどうか調べるのに対して、PET検査はからだの機能や代謝の様子を画像として捉えます。

ガン細胞は他の正常な細胞に比べてブドウ糖をより多く取り込むことから、この検査では陽電子を放出するブドウ糖を体内に投与して、薬剤が臓器に集まる様子をPET装置で撮影します。ガンの形を見るわけではないので、ミリ単位の微少なガンを発見することも可能で、ガンの早期発見に大きな威力を発揮します。

しかし、注射した薬剤が尿として出るので、腎臓がんや膀胱がんなどが見つけにくいこと(残留した薬剤がPETの画像に光って写るため、病巣があるかどうか、診断できないため)や、PETのみでは生体臓器や組織の正確な形や場所が分かりづらいなどの問題点があります。